植物から香り成分を抽出した精油はそのままだと刺激が強すぎるので、さまざまな材料を使って希釈する必要があります。例えばアロマスプレーに利用するときは、エタノールを使って水と精油を馴染みやすくするなど、適切な使い方が大切です。
そこで、この記事では精油を希釈するときに使う材料(基材と呼びます)や用具のエトセトラをお伝えします。
▼目次
1.アロマテラピーの基材の種類
1-1.植物油
植物油は肌に塗布しやすく精油ともよく馴染みます。そのため、トリートメントオイルやクリームによく使われます。
精油を血中に運ぶ役割をしてくれるためキャリアオイル、基本素材とするのでベースオイルとも呼びます。
植物油の種類と特徴
・アルガンオイル
広葉常緑樹のアルガンノキの種子から採取される植物油です。抗酸化作用が高いと言われています。
・ローズヒップオイル
バラの実からとれる植物油です。酸化しやすいのが玉にキズですが、ビタミンを多く含み、収れん作用・美白作用が高いと言われています。
・スイートアーモンド油
アーモンドの種子からとれるオレイン酸が主成分の植物油です。すべての肌質に合い比較的安価なので、古くから化粧品やオイルトリートメントなどで使われています。
・ホホバ油
ホホバの種子が原料のワックスエステル(植物性ロウ)です。酸化しにくく安定しているので、人工心臓の潤滑油にも使われるほど。低温で固まります。
・マカデミアナッツ油
マカデミアナッツの種子からとれる植物油です。若者の皮膚に多く含まれるパルミトレイン酸を多く含むため、アンチエイジングスキンケアにおすすめ。皮膚に素早く浸透するので、バニシング(消える)オイルとも言われています。
1-2.水性の基材
スプレーや化粧水作りでは主に水性の基材を使います。
・エタノール
精油はエタノールによく溶けます。スプレーなど予め精油と混ぜてから水を入れることで精油と水が馴染みやすくなります。
・グリセリン
保湿成分として幅広いものに使われていますが、とろみのある無色透明の液体で、化粧水などの基材に活用されます。
・芳香蒸留水
水蒸気蒸留法で精油を抽出するとき同時に採取できるもので、水溶性の芳香物質が溶け込んでいます。化粧水やクレイパックなどに使います。
・水
精製水や軟水のミネラルウォーターを使います。水道水は塩素が入っているため、アロマテラピーには向きません。
1-3.その他の基材
・蜂蜜(ハチミツ)
蜂蜜は、アロマテラピーでは、パック・クリーム・入浴剤などの基材として使われています。
・重曹
弱アルカリ性の粉末で医薬品・食用・工業用とさまざまな用途があります。アロマテラピーでは、入浴剤やナチュラルクリーニングなどに使われます。
・シアバター
西アフリカ・中央アフリカのシアバターの木の実から採取する油脂で、古くから火傷や筋肉痛の治療に使用されたと言われています。アロマテラピーでは、クリームの基材に適しています。
・クレイ
パックなどに使われる粘土で、モンモリロナイトやカオリン・ガッスールなど、肌質や用途により使い分けています。
・天然塩
精製されていない天然塩は市販の精製塩よりもミネラルが多く、バスソルトなどに活用して発汗を促す期待ができます。
・ミツロウ
ミツバチ出す動物性ロウで、抗菌・保湿作用があり、クリームなどによく使われます。
2.アロマテラピーを楽しむための用具
アロマテラピーを行うとき便利な用具があります。家庭にある器具で全く問題ありません。用途に応じて用具を取り揃えることで、アロマライフをより充実させることができるでしょう。
用具一覧
・洗面器
・タオル
・小皿
・はかり
・容器(遮光性)
・ビーカー(耐熱)
・鍋
・マグカップ(陶器)
・計量スプーン
・スパチュラ
・ラベル
・ガラス棒(耐熱)
・温度計
3.用具の選び方・保管方法
アロマテラピーで使う用具は湯煎などをするため、基本的に耐熱のものを選びます。精油によっては素材を変化させたりしてしまうので、ガラス容器など変化しにくい素材のものを使います。
また、使い終わったら中性洗剤でよく洗いましょう。その後は、しっかり乾燥させて保管します。ビーカーやガラス棒などは洗浄後に煮沸消毒やアルコール消毒が必要です。
アロマテラピーの基材はそれぞれ刺激や香りの強いものがありますから、用具のお手入れも入念に行いましょう。
4.おわりにーー
いかがでしたか。
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